広いレンゲ畑に寝ころび、五月の風の薫りを楽しみながら空を見る。
果てしない空に、何片かの雲が浮かんでいる。
私はまどろみながら雲に問いかける。
雲よ、お前はもくもくと湧いてきたかと思うと、いつの間にか消え去ってしまう。
そして、また、新しい雲を作り出す。
私の心も、お前と同じように次々と悩みが湧きだしてきては私を悩ます。
しかし、私にはそれを消し去ることが出来ない。
雲よ!
お前には、悩みなど無いのか!
ただ、揺れ動いているのは、私の心のみか!
.............。
遠くで私を呼ぶ声が聞こえる。
私は、何もなかったかのようにムックリ起きあがり歩き出す。