床屋(夏)
暑っ~い。連日、35度を越すような猛暑。午前中に用事を済ませ、昼飯を食べ終えると窓を全開にした部屋でゴロリと横になる。籐の枕を置き、窓側に置いた扇風機を60分にセットする。暑い中でも心地好い風が眠気を誘う。 「おとうさん…
暑っ~い。連日、35度を越すような猛暑。午前中に用事を済ませ、昼飯を食べ終えると窓を全開にした部屋でゴロリと横になる。籐の枕を置き、窓側に置いた扇風機を60分にセットする。暑い中でも心地好い風が眠気を誘う。 「おとうさん…
「ピュッ、ピュッ、ピュッ」湖に腰まで浸かりながら数人の若い釣グループがお揃いのベージュのハット。背中に英文字で書かれたお揃いのベージュのベストを着て懸命にロッドを振り弧を描きながらオレンジ色のラインを飛ばしている。オレン…
「な、なに、これっ!」妻の甲高い声が台所から聞こえてくる。隣の部屋にいる私はその一声で一瞬焦った。「ドア開けんなよ!」私はすかさず言ってしまった。私は自分の部屋のドアを閉め雨戸も締め切って部屋の中を真っ暗にし、撮り終わっ…
子供たちの夏休みが終わろうとする頃、私は夢にうなされることがある。もう30数年前の事であるが、夢の中では鮮明に甦ってくる。それは、私が5,6年生の夏休みの終わりの頃の思い出である。 夏休みに入ると朝9時のころから夕方4時…
暑い日の休日、数年ぶりに路線バスに乗った。車内はがらがら数人乗客がいるだけで、空いている横掛けの椅子に座った。外の暑さをよそに、バスの中は冷房が効いていて、夏の暑さの疲れとバスのエンジン音もてつだってか、椅子に寄りかかる…
雑木林/エッセイを開設しました。雑木林には春夏秋冬の幼い頃の懐かしい想い出を綴っています。今までに公開したエッセイの中からお気に入りのエッセイを改めて公開したいと思います。