太々神楽(二)(春)
”トッピィ~ヒャラリィ~、トッピィヒャロ””シャーン、シャシャ、シャーン””ドーン、ドド、ドーン”拝殿では太々神楽が既に始まっていた。神々を崇める笛や太鼓、鈴の音色が入り乱れ、鎮守の杜はその賑わいにすっぽりと包み込まれて…
”トッピィ~ヒャラリィ~、トッピィヒャロ””シャーン、シャシャ、シャーン””ドーン、ドド、ドーン”拝殿では太々神楽が既に始まっていた。神々を崇める笛や太鼓、鈴の音色が入り乱れ、鎮守の杜はその賑わいにすっぽりと包み込まれて…
今年は例年になく、遅い梅と早い桜の開花がほぼ一緒となり、三月下旬ごろから両方の花を一緒に楽しむ事が出来た。この時期外れの現象は、今地球規模で問題となっているCo2ガスによる地球温暖化現象の一つの現れなのかもしれない。いわ…
妻と娘と連れ立って、秋の休日”もみじ狩り”に出かけた。いつもの道は渋滞していたのでちょっと遠周りだが昔通った山際の裏道を行くことにした。 「お父さん、止めて!」 娘が突然、指をさして言った。見ると楓やブナの秋色に彩られた…
「梅、辛夷、木蓮、桃、桜・・・」今年は木々の装いが例年になく早い。庭の藤もたくさんの大きな蕾を付け始め今にも咲きそうである。 今年は草花や木々の花咲く時期が何処か狂っているようだ。何もかもが観測始まって以来の異常さである…
「ピュッ、ピュッ、ピュッ」湖に腰まで浸かりながら数人の若い釣グループがお揃いのベージュのハット。背中に英文字で書かれたお揃いのベージュのベストを着て懸命にロッドを振り弧を描きながらオレンジ色のラインを飛ばしている。オレン…
私の寝床に潜り込んでいた飼猫の”ミ-”ががさがさする音を聞き寝床からのっそりと抜け出して、台所へ駆けて行った。“ミ-”は妻の足元に纏わり付き、餌がほしいのか”ミ…
初冬のある日曜日の午後。気分転換に、いつものお気に入りの雑木林へ。 枯れ葉の絨毯が敷かれている小径に入ると、木々の隙間からは初冬のやわらかい光が射し込んでいる。時折、梢を渡る風にクヌギの枯れ葉が数枚「はらはら」と私の肩に…
年を重ねたせいか、寒い夜は夜具の中に湯たんぽを忍ばせている。数年前までは、電気毛布や電気あんかで温めていたが喉が渇いてしまい何故か体に合わないようだ。 昔懐かしい湯たんぽに替えてからは、柔らかな温もりからか寝苦しさを覚え…
朝5時、外はまだ暗い。始発電車の音がいつもと違うのに気付く。 「雪かな。・・・・・・・・」なんとなく、遠くで聞こえるような、透き通った響きである。「雪かもしれない。・・・・」降る雪に音が吸収されてしまうからである。 私は…
元旦。世紀末の新しい年明け。また、母の百ヶ日法要の日でもあった。 いつもの年なら、朝から家族で新年を祝い神社に初詣るのだが。今年は喪中なので祝い事を控え、外の賑わいをよそに何もせずにただ”ボォ-ッ”…