黒羽から雲巌寺へは461号線を八溝山方面に東進する。
杉の大木に囲まれた山門の入り口には朱塗りの反り橋が掛かり、幽玄な世界に入り込んだ雰囲気である雲巌寺は、臨済宗妙心寺派の禅寺で山号を東山という。
ここは芭蕉が江戸で修行した禅の師、仏頂和尚が滞在していた古刹でもあり、
筑前博多・聖徳寺、越前・永平寺、紀州由良・興福寺とともに禅宗の四大道場の一つとされる。
雲巌寺は1828年に北条時宗が建立した禅寺で、1590年には豊臣秀吉に伽藍を焼かれてしまったが、江戸期には再興して今に至っている。
雲巌寺の境内には海岩閣、竹林、十梅林、竜雲洞、玉几峰、鉢盂峰、水分石、千丈岩、飛雪亭、玲瑯岩の十ヶ所を「雲巌寺十景」と呼ぶ美しい眺めがあった。