奥の細道

室の八嶋に詣す。同行曽良が曰、「此神は木の花さくや姫の神と申て富士一躰也。無戸室に入て焼給ふちかひのみ中に火々出見のみこと生れ給ひしより室の八嶋と申。煙を読習し侍もこの謂也」。
将、このしろといふ魚を禁ず。縁記の旨世に伝ふ事も侍し。

曾良随行日記

一 此間姿川越ル。飯塚ヨリ壬生ヘ一リ半。
飯塚ノ宿ハヅレヨリ左ヘキレ、(小クラ川)川原ヲ通リ、川ヲ越、ソウシヤガシト云船ツキノ上ヘカヽリ、室ノ八嶋ヘ行(乾ノ方五町バカリ)。
スグニ壬生ヘ出ル(毛武ト云村アリ)。
此間三リトイヘドモ、弐里余。