栃木県那須塩原市西岩崎地区にある西岩崎頭首工を紹介します。
西岩崎頭首工は那珂川水系那珂川に造られた取水堰で、農業用水と飲料用水を取水する施設です。
明治時代になって那須野ヶ原が開拓されるのに伴い、日本三大疏水の一つとして灌漑用に那須疎水が造られました。
その取り入れ口は明治時代の土木遺産として現在でも保存されています。
その後、昭和42年(1967)から始まった那須野ヶ原総合開発(国営那須野原総合農地開発事業)により、第4次取り入れ口として現在の西岩崎頭首工が昭和51年(1976)に完成しました。
規模は堤長89m、堤高3.05m、毎秒8.94㎥を取水できるコンクリートフローティングタイプの堰です。
那須野ヶ原土地改良区で管理されています。
※ 日本三大疏水 安積疏水(福島県)、琵琶湖疏水(滋賀県・京都府)、那須疏水(栃木県)
上左は、西岩崎頭首工の全景。右側の岩山に旧第一次取り入れ口があります。
右は、西岩崎頭首工の上流付近から見た風景。奥の方に那須連山が望めます。
上は、昔の河川からの取り入れ堰付近。左の写真の大きな石には堰き止め板を差し込む溝などがあります。
右は、旧河川取入樋門付近。
下左は、明治38年(1905)に完成した第2次取り入れ口付近。
右は、明治18年(1885)に完成した第1次取り入れ口付近。
下左は、那須疏水公園からの様子。ここは"とちぎのふるさと田園風景百選"の認定地になっています。
公園内に展示された、疏水取入口工事中(昭和10年4月)に見つかった猿面石。(中)
公園前の岸辺より見た頭首工上流の風景。(右)
下は、那須疏水公園の全景です。那珂川上流には遠く那須連山が望めます。
写真を撮り終えて帰る途中、バス会社の制服の若い女性たちに行き会いました。
多分、ここ那須疏水公園内にある明治の土木遺産などを案内するため、先輩の女性に案内される新人ガイド達なのだろう。
下は、西岩崎頭首工の動画です。那珂川上流に見えるのは那須連山です。