夕暮れ(冬)

冬の雑木林の夕暮れは、とても寂しい。
薄暗い雑木林の中は、なにもかもが眠りにつく準備をするかの様に沈黙し、凍った様に静まり返っている。
まるで時間が止まったようだ。

耳を澄ましてみると、"カサッ、カサッ"と小さな音が遠くで聞こえる。
「何の音だろう...!」

林の中の雑木の大木の黒いシルエットが、マントを羽織った怪人のように見える。
今いる自分が、マントの中の暗闇へ吸い込まれていくようだ。
夕暮れの雑木林の中の闇は、殺気さえ感じられる。

どんよりとした鉛色の西空に、くすんだ色の夕焼け。
カラスが家路を急ぐかのように、寂しく鳴きながら空を過ぎっていく。
そんな寂しい冬枯れの雑木林。