しもつかれ(冬)

節分が過ぎ、「初午」がやってくると春の足音と共に、「しもつかれ」を思い出す。
「しもつかれ」...これは私の住んでいる栃木県(下野の国)に伝わる「郷土料理」である。
正月(昔は旧正月)の残り物を利用した、栄養価の高い食べ物である。

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大根、人参を鬼おろし(おろし金の歯の部分を竹で作った物)で荒くすり下ろし、そこに新巻鮭の頭節分で残った大豆、酒粕などをごちゃ混ぜにして炊いた物である。
各家庭それぞれの味付けがあってみな違う味であるが、我が家では母直伝の味付けです。

昔は、初午に供える赤飯と共によく食べさせられた。
子供の頃は、赤飯はご馳走だったが「しもつかれ」は嫌いだった。
他県の人に勧めると、見て後ずさりするそうだ。

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どうみても、「ゲロ」(あまり良くない表現だが、一番適切かと思う。)のようだ。
しかし、目をつぶって口に含んでしまうと、それはもう、「うんまい」の 一言につきる。(私は!)
特に、寒い朝の冷たい「しもつかれ」は最高なのである。

どんぶり一杯は楽に食べられるから不思議である。
最近は、季節を問わずス-パ-にも出ているので作らずとも食べられる。
今年も「しもつかれ」を作る季節となった。

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「鬼は外!、福は内!」
夕暮れの空に子供の元気な声が聞こえてくる。
もうすぐ「節分」。
春はそこまで来ている。

私のブログに「しもつかれ」の記事があります。
しもつかれin郷土料理
恵方巻としもつかれ