もみじの想い出(秋)

雑木林に入ると、幼い頃の遠い昔、母に連れられて雑木山に木の葉をさらいに行った想い出が木の葉の舞う音とともに鮮明に甦ってくる。

山の斜面の枯れ葉を、母が熊手でかき集める"ザザ-、ザザ-ッ"という音と子供が落ち葉の上で遊ぶ音が、時折私を遠い昔に戻してくれる。

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集めた"木の葉"をかごに詰め、背負って山裾まで運びリヤカ-に載せる。
西日が、うるしの葉っぱを真っ赤に染める頃、母の曳くリヤカ-を押しながら晩秋の山道を帰った。

晩秋になると、雑木林にくるたびに、"もみじ"や"里の秋"のうたを口ずさみながら、幼い頃の遠い昔を思い出す。

"秋の夕日に照る山もみじ........."


"秋うるし 真っ赤に燃える 野良帰り"
"地下足袋を 脱ぐ母の背に 落葉雨"

(詠み人・樋山)