八月の雑木林にて(エッセイ)

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カンゾウの花

昨日も、リハビリを兼ねて壬生町のわんぱく公園を歩いてきた。
その前の日に競技場で壬生町の盆踊りと花火大会が行われた。
漆黒の大空に大輪の花が見事に咲き誇っていた。
競技場の真ん中には櫓が取り残されて寂しそうに立っている。
私は、暑さを避けるため公園内の薄暗い雑木林に入っていった。

八月の雑木林にて

ぎらぎらと照りつける真夏の太陽が、乾ききった白い砂利道に私の黒い影を映しだしている。

土埃をもうもうとあげながらその砂利道を一台の車が通り過ぎて行く。

私は咄嗟に脇の雑木林に入った。

一瞬、暗闇の中に入ったように目の前が真っ暗になってしまった。

林の中の暗さに目が慣れて、徐々に奥の方まで見えてきた。

薄暗い林の中は時折、緩く流れる"ひんやり"とした冷気が私の頬を心地よくなぞって行く。

夏の日射を遮る葉の隙間からは、スポットライトのように幾筋もの光が黒い地面に白い斑点を

映し出し、無数の木漏れ日を創っている。

微かに流れる風に葉が揺れ、白い斑点は点滅を繰り返す。

まるで光の影たちが風に乗って遊んでいるかのようだ。

夏草に埋もれながらも木漏れ日を全身に浴び、一際目立ったオレンジ色のカンゾウの花が一輪

薄暗い雑木林の中でそれらを楽しそうにみつめていた。

丈たかき  樹々のみどりに 慕いより 共にすごせし 人を想いぬ
(詠み人  麗さん。こぶし町在住の方です。)

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