気になる記事と出生の秘密

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地蔵と観音

昨日は、89歳で天寿を全うした母の月命日。
あれから、20年の月日が流れた。
仏壇に線香をあげ、今まで頂いた御朱印帳を納めながら手を合わせ、般若心経を口ずさむ。
観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄
何故か心が落ち着く。
何時ものようにスマフォでネット記事に目を通す。
あれっ、と思いながら驚愕する海外の一記事が目に留まった。

南アフリカで突然死した5児の母親。
しかし葬儀の前日になって葬儀会社スタッフが棺桶の中を確認すると、死亡したはずの母が出産しており、その事実に仰天した。
(Techinsightより)

誰でもが考えられないような出来事だが、私にとってはそれもありかなと思われる出来事だった。
それは、私が出生するときに起こったそれに近い出来事だった。
昭和25年の秋、私はこの世に生をうけた。
この時、臨月を迎えた母は何かしらの病に臥せり、出産も覚束ない状態だったという。
かなりの難産で、産婆さんも手に負えないかったらしい。
この状態を見かねて、親戚のおじさんが医者を呼んだほうがいいと言う事で、おじさんと私の兄が数キロある医者まで自転車で迎えに行ったという。
それまでに母の病状が悪化したらしく、母の状態を見た医者は母を取るか乳児を取るかを父に告げたらしい。
しかし、どちらも選ぶことが出来ずに母は目を落としてしまったらしい。
子供6人を残して逝ってしまった母の枕元で父は途方に暮れていたそうだ。
そして、近所の人や親戚の人達が集まって母の葬儀の準備をしていた。
母を北枕にして父たちが葬儀の相談をしていた時、突然北枕にされた母が呻り出したそうだ。
集まっていた人たちはびっくりして「いっちゃん、生き返ったぞっ」と言って医者と産婆さんを呼び返したそうだ。

そして、67歳になった今の私が居るのです。
母は、良くその当時の出来事を私や姉たちに話していた。
一番興味があったのは、死という事でした。
母が言うには、死の瞬間、広くて綺麗なお花畑があり、川の向こう側から亡くなったおじいさんが母に向かって手招きしているそうだ。
川に掛かった橋を渡ってしまえばあの世に行ってしまう。
そこで、母が川を渡らぬようにと父が母の耳元で呼び止めた事を言っていました。
しかし、あの世に行くときは、とても気持ちが良いらしいとも母は言っていました。
よくある臨死体験の話しがありますが、これは、作り話ではなく本当の話です。
兄弟の集まりごとがあるとこの話が何時も話題になります。
私も一度死を体験したのだから結構長生きするのではないかと良く妻と話します。

この話は、2000年に書いたエッセイ雑木林の中に掲載しています。
半世紀(母の想い出) 冬の雑木林より
上の写真は、霊場巡礼in栃木より
獨鈷山西明寺(芳賀郡益子町)
補陀落山観音寺(塩谷郡塩谷町)

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