気になるあの木 秋(エッセイ)

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わんぱく公園

台風一過。
真っ青な空には、雲ひとつない。
夜半から吹き荒れた猛烈な雨と強風が嘘のような天気だ。
台風が来るたびに、以前とは違う猛烈な風。
寝床に入ってもなかなか寝付けない。
スマフォのイヤホーンから流れるNHKのラジオ深夜便を聞きながらも外で吹き荒れる風。
そんな夜長、近所の公園のりんご並木が気になる。
たわわに実るりんご落ちてはいないだろうか。
確か、2000年に栃木県壬生町で開催されたマロニエとちぎ緑花祭2000の会場内にあるりんご並木。
閉会後にリンゴ並木を一人歩いた記憶が蘇る。

わんぱく公園

気になるあの木 秋
雨上がりの帰り道、緑化祭の会場跡地に寄ってみた。
今まで立ち入り禁止であったが、柵がすでに取り払われている。
ゲ-トもすでに取り壊され、撤去された看板などが無造作に置かれていた。
いつものおきまりの散歩コ-スを歩いてみた。
夜8時であるし、雨上がりなので誰もいない。
歩道には雨に濡れた落ち葉が散乱していて、靴底にまつわり付く。
所々に街灯があり、色ずき終えて今にも散りそうな木々の葉っぱがほのかな明かりに、寂しそうに浮かび上がっている。
途中に太くて大きなケヤキの木がある。
見上げると青々としていた葉も落ち始め、雨に打たれて残った葉が冷たく光を放っている。
そして、横を見上げるとライトに映し出された博物館が、私を「こんな所で何をしている。」
と言わんばかりに大きく立ちはだかり私を威圧している。
いつも見慣れているのだが、雨上がりの無人になった建物は、今日は異様に感じる。
気になっていたリンゴ並木に行って見る。
街灯はついておらず、ほの暗い並木道を歩いてみる。
中央帯にある植え込みは、半月前まで互いに咲き誇っていた花々も花を落としてしまって ひっそりと静まり返っている。
両側のリンゴ並木といえば、たわわになっていたはずの赤い実はすでに無くリンゴの木だけが雨上がりの暗い空にうっすらと映っていた。
暗いリンゴ並木に腰を下ろし、暫し瞑想する。
半月前の華やかで活気に満ちた木々や花々の盛装した中での子供たちの喧騒が頭を過ぎる。
「かさっ」。
はっと我に返り辺りを見渡す。
誰もいない。
ただ足元には、枯れたマロニエの葉が一枚寂しそうに落ちていた。
(秋の雑木林より 2004年 記)

wanpakuyakei_002.jpg わんぱく公園

上は、閉会後に撮影したリンゴ並木付近。

マロニエとちぎ緑化祭2000の想い出(Maywindのつぶやきより)
第17回全国都市緑化とちぎフェアマロニエとちぎ緑化祭2000回想録(2000年壬生会場)

わんぱく公園

上は、2004年ごろわんぱく公園の隣にあるおもちゃ博物館脇に咲いたコスモス。
下は、同じ場所で当時はコスモスが植えられていました。
今は、バードゴルフの会場になっています。

わんぱく公園

下は、10月2日に撮ったわんぱく公園の北入り口付近。

わんぱく公園

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