もみじの想いで 秋(エッセイ)

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秋の雑木林

昨日は、十三夜。
東の空に顔を出したお月様は満月。
9月24日の十五夜から約1ヶ月。
私の田舎では十三夜のボウジボは行われているのだろうか。
昔、十五夜にはススキを五本お供えしたが、十三夜ではススキを三本水を入れた一升瓶に挿して団子などの供物と一緒にお供えした覚えがある。
夜になると、村々の子供たちは十五夜と同じく部落内の家々を廻って庭先でぼうじぼあたれを行う。
そして、頂いたお金はもうすぐやってくる村の秋祭りのお小遣いにあてる。
村の秋祭りが終わると、里山には木の葉を散らす木枯らしがやってくる。
ぼうじぼ

もみじの想いで
秋になると、遠い昔、母に連れられて雑木山に行った想い出が蘇る。
毎年晩秋になると、来年の春に使う肥やしを作るための落ち葉を雑木山に集めに行く。
裸木になった雑木山に入ると、山の斜面の吹き溜まりには足が埋もれるほどの落ち葉が降り積もっている。
まるで、落ち葉の絨毯を敷き詰めたようだ。
それを竹の熊手で母が上から掻き下ろす。
「ザザ-、ザザ-ッ」、掻き集める音と共に山の斜面から落ち葉が雪崩のように落ちてくる。
私は、落ちて溜まった木の葉を目の粗い大きな竹籠にいっぱいになるまで詰め始める。
母と私はいっぱいになった竹籠を背負い、拾った枯れ枝を杖にして山の斜面を降り山裾に置いてあるリヤカーまで運んでくる。
そして、西日がうるしの葉っぱを真っ赤に染める頃、母の曳くリヤカ-の後を押しながら晩秋の山道を帰った。
葉っぱの落ちた晩秋の雑木林にくるたびに「もみじ」を口ずさみながら在りし日の遠い昔を想い出す。
「秋の夕日に照る山もみじ.........」
(秋の雑木林より 2004年 記)

秋うるし 真っ赤に燃える 野良帰り
地下足袋を 脱ぐ母の背に 落葉雨
(詠み人・五月の風)

トップの画像は写真ACより

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